ぷりんすさーもん日記

新卒Webディレクター「ぷりんすさーもん」がメディアとして軌道に乗るまでの行動記録

「1998年の宇多田ヒカル」を読んだ(後編)

宇野維正さん著の「1998年の宇多田ヒカル」を読んだ感想の後編です。

前半はこちら。 

prince-salmon.hatenablog.jp

 

宇多田ヒカル = ナンシー・アレン

3章でやっとこさ宇多田ヒカルに本格的に焦点が当たるんだけど、ここについてはあんまり目新しい情報はなかったという印象。

 

というのも、僕の大好きな漫画「島耕作シリーズ」で宇多田ヒカルをモデルにした「ナンシー・アレン」というキャラクターが登場していたので、3章に書かれている宇多田ヒカルの性格やら、デビュー時のエピオードやらがモロそのキャラクターと同じだった。

ナンシー・アレン島耕作と愛人との間の娘だったり、最後は不慮の事故で死んでしまったりと完全に創作のキャラクターではあるんだけど、アメリカ育ちで作詞も作曲も編曲も自ら行い、15歳で鮮烈なデビューを果たす点はモロ宇多田ヒカルだ。

ナンシーは個人的にも凄い好きなキャラだったなぁ。ナンシーは島耕作が自分の父親だってことは知らないんだけど、ことあるごとに「父親ヅラしないで!」とか「島さんが本当のお父さんだったらいいのに…」とか島耕作に言ってくるんすよ。
たまらんですよね。ホント。僕が島耕作だったら号泣もんです。

というわけで話がそれたけど、3章の内容は僕にとっては「あー、これ知ってる知ってる」な内容が多かったんだけど、宇多田ヒカルって曲以外のこと知らないな~って人には面白いエピソードが多いんじゃないかと思う。

 

やっぱり「浜崎あゆみ」が好きだ

4章以降は椎名林檎aiko浜崎あゆみという宇多田ヒカルと同じ1998年デビューのビックネームにも焦点が当てられていた。正直、内容はあんまり深いものではなく「蛇足じゃん」と思う部分も多かったが、浜崎あゆみについて触れられた6章は興味深かった。

家族の影響から、中学生、高校生の頃は浜崎あゆみが結構好きで、毎年スカパーで放送していたカウントダウンライブを生で見てたりとかしていた。
当然、宇多田ヒカル椎名林檎aikoの曲にも触れてはいたのですが、浜崎あゆみの曲が一番しっくりきていたことを覚えている。

浜崎あゆみの初のベストアルバム「A BEST」で所属事務所のエイベックスと確執が出来たという話。「A BEST」くらいの時期の前後で、浜崎あゆみの音楽は線引きが出来るらしい。

「A BEST」以前の楽曲は「陰性・孤独・不健康」な浜崎あゆみの内面が押し出された楽曲だったそうだが、「A BEST」以降の楽曲は「陽性・社交的・健康的」な楽曲が多いそうだ。
「A BEST」の一件で、自らをアーティスト「浜崎あゆみ」という商品として自覚したことで、変化が表れたのだという。

僕は6章を読んで、自分が浜崎あゆみを好きだった理由に合点がいった。

僕は浜崎あゆみのそういうコンプレックスに突き動かされている点に、物凄く共感していたんだと思う。「A BEST」以前の自分の抱える不安を率直に表す楽曲はもちろん、「A BEST」以降の自分の抱える不安を押し殺し、陽性の仮面を被って振る舞う(ある意味、幼稚な強がりである)楽曲も非常に人間臭くて共感できるのだ。

浜崎あゆみ」を改めて「好きだ」と思わせてくれたこと。
そしてその理由も併せて提供してくれたこと、非常に大きな収穫だった。

 

さいごに

今までアイドル論には触れたことがあったけど、音楽論だったりJ-POP論には触れてこなかった。
僕自身楽器はやらないし、特別応援しているアーティストもいないし、特別流行りの音楽に敏感な方でもないし。

とは言え、1991年生まれの僕としては、1998年デビューの宇多田ヒカル(をはじめとする4人*1
CDセールス的にも化け物な彼女は、ふとした雑談の中で世代性別問わず話題にできる所謂「メジャー」な存在だと思う。

今までJ-POP論に縁のなかった自分が、ふと本書を手にとった理由はそんなところにあった。

正直、J-POP論なんてサブカルとしては「どメジャー」な分野なのかもしれないけど、今回そこにはじめて触れられてよかった。
もっとJ-POP論読んでみたいな~。ちょっと探してみよう…

 

それではまた今度。

 

 

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

 

 

*1:宇多田ヒカル椎名林檎aiko浜崎あゆみの4人)は小中高とずっと身近だった音楽の1つだ。