ぷりんすさーもん日記

新卒Webディレクター「ぷりんすさーもん」がメディアとして軌道に乗るまでの行動記録

「1998年の宇多田ヒカル」を読んだ(前編)

宇野維正さん著の「1998年の宇多田ヒカル」を読みました。
今回はその感想をつらつらと…

1998年以前の音楽シーン「小室哲哉すげえ!」

本書の秀逸な部分は、メインの話題である宇多田ヒカルはじめとする4人の音楽家*1についての考察というよりも、1998年に宇多田ヒカルがデビューする前までの音楽シーンの説明と、「1998年」という年にフォーカスを当てたことだと思う。

 1998年は最も沢山CDが売れた年なんだそうだ。つまり1998年以降CDの売上枚数は右肩下がりを続けている。そんな年に宇多田ヒカル(と他の3人)はデビューしたわけだが、宇多田ヒカルが活躍した日本の音楽業界が形作られるまでの過程である1998年以前の音楽シーンにも相当な文量が割かれていた。(1章/2章はずっとこの話)

80年代アイドルブーム~小室哲哉の時代を的確に表現していた。当時のことを知らない僕としては、1章/2章を読んだだけでも本書を読んだ価値があったと思う。いかにTKがブイブイいわせてたかビンビンに伝わってきた。))

当時を実際に体験した人からしたら「薄っぺらい」情報かもしれないけど、僕には非常に有益な情報だった。
とりあえず小室哲哉の関わった音楽を聞いてみようと思った。

「アイドル」の定義のはなし

ラッパーの宇多丸さんはアイドルを「魅力が実力を凌駕している存在」と定義付けたけど、本書の中でもアイドルの定義について触れられてた。

歌手を「アーティスト」と呼び出したのはいつ頃だろうか?という話の中で、本書では下記のように結論づけられている

「アイドル」と「アーティスト」との違い。それは、「同性の支持を得られるかどうか」がほぼ全てである。

つまり「アイドル」とは「主に異性からの支持を得ることで、音楽活動や芸能活動等を行う人々」と定義できる。

この定義はかなり納得感のある定義だと思った。
日本最大級の男性アイドル事務所であるジャニーズでも比較的男性人気の高い(気がする)TOKIOSMAPなどは「アイドル」とは異なった認識を持たれる人も多いのではないか?

宇多丸さんの定義よりも定量的に計測がしやすい点も、定義として利用しやすいので多くの人に納得感を持ってもらえそうだ。

個人的には「アイドルのどの点を評価して支持しているのか?」が重要だと思うので宇多丸さんの定義のほうが好みだけど、アイドルの定義について新たな知見が得られたのはかなり嬉しい収穫だった。

著者いわく小室哲哉は、女性シンガーの同性支持を積極的に取り付け、アイドルをアーティスト化することで人気と持続力生み出していたとのことだ。
ビジネスとして芸能人を見ると非常に重要な点だよね。

本書でも男性・女性関わらず音楽活動をする人は、その「アイドル性」から完全に逃れることは難しい。ビジュアルが整ってる人は特に、そのビジュアルが好きで応援するという異性ファンが少なからず存在するからだ。

そもそもアイドルとアーティストとの間に序列関係はないのだけれど、どうしてもアイドルよりアーティストのほうが高尚で凄いみたいな印象は共感してくれる人も多いと思う。いつまでもアイドル視されてしまうことに悩むシンガーも多いんだろうな…

 

長くなったので、続きは後編で…

  

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

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